ムー物語
最終章 ムーちゃんとママ<子猫>


雨上がりの庭はとても涼しく
昨日までの夏日が懐かしくも思える夜
星のまたたきに合せるように
かすかに鈴虫の声が聞こえました

「ムーちゃん!ムーちゃんご飯ですよ〜」

しばらくすると
ママさんの優しい声を聞きつけたようにムーちゃんは 庭の奥からこっそりと出てきました
暗がりから出てきたムーちゃんは
一瞬ですが、いっそうの白さを増したように
ママさんは思えました
白く輝いてさえいるようにも思えました
そして、いつものように「ミュ〜」と甘えた声で泣きました

月から地上に帰る時お父様はムーちゃんに言いました

「ムーちゃん、月と地球の流れる時間は違っていて 地球でのわずかの一分間はこの猫村での一年間になるんだよ
…つまりムーちゃんがここへ帰ってきての一年間は 地球ではわずか一分しかたっていないからママさんは ムーちゃんが月に帰った事は分らないんだよ…」

お父様はムーちゃんが地上に戻る時
一匹の子猫を託しました

「ムーちゃんこの子猫ちゃんはね、ムーちゃんと同じ 捨て猫だったんだよ…雨の降る日に私が不憫に思って地上から 連れてきたんだよ…
これからは、この猫ちゃんと一緒にママさんに
可愛がってもらいなさい…」

ムーちゃんがいつもの様にママさんのお膝に登ろうとした時
その後に一匹の子猫が寄り添いました…
まるでムーちゃんの長い尻尾にすがり付くように…
ママさんは一瞬ビックリしましたが、いつもの微笑で 「あれ〜君は何処から来たの〜?」
と言いながら、子猫を優しく抱き上げました
そして、その軽さに驚きながら
「家族が増えたね」と言いました

「そうだ!今夜は中秋の名月だね!」
ママさんは素敵なアイデアを思い浮かべました
それは家族が集まって写真を撮る事でした

ママさんのお膝にムーちゃん
そして子猫
家族達は後ろに揃ってニッコリして
デジカメのフラッシュが眩く発光しました

中秋の名月の影はなんとなく猫村の
お父様の面影がありました
 
                 …終わり…
   

           ボス猫 
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