ムー物語
第五話〜<ムーちゃんの独り言?(第二章)>〜

せっかく素敵なお友達ができて
もうお別れなんて…
切ない気持ちのムーちゃんは
もう一度、蜻蛉(かげろう)さんに訪ねました
「何処へ行っちゃうニャ〜?
ず〜とここにいればいいのに
ママにお願いするニャ〜」
「ありがとう、優しいムーちゃん」
蜻蛉は応えました
「もう時間がないんだよ、これから夕方になれば
西から東に吹く風があって…ほらそろそろ来るよ」
ムーちゃんはおひげに感じるものがありました
特別な風…
ムーちゃんはおひげがヒックとしました
そしてピクツ、ピクッとおひげの先が震えました

「私たちは羽が生えた瞬間に風に消えるんだよ
私たちは風の粒になるの」

蜻蛉はムーちゃんのお鼻から離れると
ささやかで、幽かな羽音をたて
庭先に出て行きました

ムーちゃんはうつ伏せになっていた身体を起こし
お座りをして特別な一陣の風が吹く庭を見ました
蜻蛉は西日の中で銀色の星屑のように輝き
そして
ひそやかな風…
冷ややかな息吹きのなかに消えてしまいました

ムーちゃんは声を聞きました
「風を感じた時は私と思ってね…」
そして「うん、約束だニャ〜」
と応えました

「ただいま〜ムーちゃん、お留守番できたね〜
ありがとうね、お部屋に入ってきたら
ムーちゃん独り言を言ってたね、淋しかったのね」
とママさんのいつもの優しい声がしました
そして柔らかな手の平で頭をそっとなでてくれました
「あっ!おかえり〜ママ〜!」
ムーちゃんが今あったことをどうやってママさんに
お話しようかと思ったその瞬間
バイオリンの音色のような
優しい風がおひげをそよぎました

               
つづく・・・

        
           ボス猫
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